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給水ポンプでも、ポンプ本体についての交換時期を検討してみます。
揚水ポンプは約5年目にオーバーホール、10年目に交換というペースが一般的です。
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そもそもなぜ10年目に交換か?
写真はエバラのMDPA型ポンプです。
一番の理想は、
- 故障して止まる瞬間に修理する。
- 修理費用より交換費用が安ければ交換
これにつきますが、瞬間に修理することが不可能なのはご承知の通り。
また、修理金額と新品金額との兼ね合いも判断が難しいところです。
また修理時のリスク(後述)もあります。
仮にこのように考えて見ましょう。
新品が2台で50万円、5年目のオーバーホールに15万円、10年毎に交換とします。
- パターン1 通常のパターン
- パターン2(楽観ケース)
- パターン3(悲観ケース)
20年目までに総額で
10年目にオーバーホール、20年目までにさらに2回オーバーホールし、延命できた場合
(運よく延命できたということで楽観的なケースとします)
パターン1の130万円との差額20万円は総コストの15%程度となります。
上記のパターンでがんばって延命したが、17年目で交換となった場合
(修理でコスト削減を図ったが結局交換をせざるを得なくなった悲観的なケースとします)
※10年分の償却で考えると17年目の交換は17年目~19年目の費用として
50万円×(3年/10年)=15万円として考えました。
上記により、延命により、19年目末までの総コストでは3%~15%程度の費用削減効果が考えられますが、
一般的には費用削減効果より断水となるリスクを回避することが優先されますので
パターン1をお勧めしているわけです。
ポンプの5年目オーバーホールについて
5年目のオーバーホールはなんら問題ありません。
機械物ですから、4年目で異音が発生したり、8年~10年経過しても大丈夫なものもあります。あたりはずれもあるので、様子をみつつ、オーバーホールの時期を探ってもいいとさえ思います。
オーバーホール時は軸受けとなるベアリング、メカニカルシールの交換、ポンプの種類によってはケーシングなども交換します。ケーシングは、少しのガタ付きにより異音が発生したりと、あとでトラブルの元になりますので交換に含ませます。
ところが、オーバーホールしてもうまくいかないときがあります。1年ぐらいでまた異音が発生したりというようなこともあります。これは技術的な問題というよりは機械の個体差なのではないかと思います。
また、まったくオーバーホールせずに故障せずにもった場合は10年目に交換してしまうケースもあります。
ポンプの10年目でのオーバーホールをあまり薦めない理由
10年以上経過したものをオーバーホールするには以下のリスクが考えられます。
- 短期的に再発する可能性
- 部品の供給終了の可能性
- いつまで修理で継続するのか?
状況によると思いますが、回転体は長年で回転バランスが変わってきますので、部品を新品に交換してもすぐに異音が発生するようなことがあります。そういったポンプは何度も何度も修理することがあります。いわゆるハズレの個体です。その都度、修理費が発生します
オーバーホール作業を行った後に、作業で交換した部材とは違う部品交換が発生した場合に、その部品が供給終了となると悲惨です。最初のオーバーホール費用は発生してしまい、交換費用も発生しますので、オーバーホールの費用は無駄に終わります。
少なくとも同型機種がまだ販売されているのか?確認の必要があります。販売が終わっている場合は近いうちに部品供給終了となります。
10年目はオーバーホールして15年目はどうするか?20年目はどうするか?その都度、上記リスクが高まってきます。
そのようなことで、上記リスクを個人が認識して、個人の意思で、オーバーホールを依頼いただく場合はまったく問題ありません。
しかしながら、管理組合等の団体の場合は、そのリスクを全員で共有することが難しく、1年後にトラブルがあっても、困りますので、無難にポンプ交換をお勧めしたいと思います。
企業の場合では、交換ですと資産償却などのこともありますので、上記理由がわかっていてもオーバーホールするということはあると考えます。
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