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テラル NX-65VFC402-2.2W 高温異常で停止した原因

※弊社では修理の受付はしておりませんのでメーカーへご依頼ください。個別の症状についての質問はご遠慮ください。
テラル NX-65VFC402-2.2W
ポンプ機種
テラル NX-65VFC402-2.2W 8年程度経過

現象

  • 高温異常警報がでる

といったことがありました。閉め切ったポンプ室内ですので夏の気温によるものなのかも含め、判断が難しいところでした。

原因

運転状況をみると、ポンプ運転ランプが点滅から早い点滅に変わり小水量停止動作に移行するがすぐに点灯状態となり運転が止まらない状態でした。高温異常というのはポンプ本体についているサーミスターで温度を検出しています。この温度が上がったので異常を検出して警報を出しています。
サーマルカメラで撮影してみました。

ポンプユニットの温度分布
ポンプユニットの温度分布

部屋の温度が38℃程度で、ポンプ自体は42℃でしたが、高温異常が出るほどではありません。(※機器仕様として設置場所も液温も40℃までですので良くはないです。)左上のインバータの冷却器が高温となっていますが、冷却ファンが故障しているためです。

ポンプの運転設定などを確認しながら見たところ小水量停止移行時の回転数が加速した際に設定した水圧36mに達することができず、通常運転に戻っているようでした。
修理までは揚程の設定値5m程度下げた29mとして応急処置としました。
以前に逆止弁の故障(逆流)があり連続運転で加熱したことがあったため、それも要因かと思いますが、どの故障が最初に発生したかは判断が付きません。
継続しての複数回に分けての修理でしたが結局、サーミスター、フロースイッチ、逆止弁、インバータ冷却ファンの交換、ポンプのオーバーホールを実施いたしました。

ポンプ

給水ポンプユニットからポンプを取り外しました。

テラル UNX402-2.2
テラル UNX402-2.2

吸込み側を覗いてみますと
ライナーリング損傷の状態
ライナーリング損傷の状態

ライナーリングが外れてしまっています。
ポンプケーシングを外しました。
ライナーリングが外れたケーシング 5NX-2
ライナーリングが外れたケーシング 5NX-2

中央部のライナーリングが破損しています。
破損したライナーリングは羽根車に吸い込まれて挟まっていますので、羽根車からゴムをひとつひとつ取り除きます。

ライナーリング

破損したライナーリング
破損したライナーリング

新しいライナーリング
新しいライナーリング

ゴム部品ですので経年と、併せて熱をおびてしまうと膨張するようです。新しいライナーリングはツメが4つになっているので多少は破損しにくいかと思います。今回はポンプを分解しましたのでベアリングも含めオーバーホールを行いました。修理を行った結果、50Hz運転時に揚程34mが44mに回復しました。ライナーリングが破損していたことでポンプの能力が落ちていたようです。予防保全の観点からすると7年程度までにオーバーホールを行うのが無難かと思います。
※弊社では修理の受付はしておりませんのでメーカーへご依頼ください。個別の症状についての質問はご遠慮ください。

給水ポンプの圧力タンク故障とは

給水ポンプユニットには圧力タンクがついています。
メーカーでは6か月に1回の空気圧の点検、及び3年での交換が推奨されています。

圧力タンクの仕組み

まずは断面図です。

圧力タンク断面図
圧力タンク断面図

NOKカタログより抜粋
http://www.nok.co.jp/product/fluid.html

タンクの上側に空気、下側に加圧された水が入っています。その間にはゴムの膜(ブラダといいます。図の水色の部分)で隔離されています。この上側に入った空気圧を点検する必要があります。
空気の注入口やゴム膜を空気が透過することで空気圧が低下していきます。

圧力タンクの役割

空気の圧縮性を利用したもので、流体の圧力を蓄えて、瞬間的に大量の圧力流体を供給したり、脈動や衝撃圧などを吸収することができます。

圧力タンクのパンク

ところが、ブラダに穴が開くと下側の水が上側に漏れてきてしまい、最終的に上下とも水で充填されてしまい役割を果たさなくなります。

穴の開いたプラダ

圧力タンクを切断するとこのようになっています。

圧力タンク切断
圧力タンク切断

写真右側は水室ですのでコーティングされてきれいですが、写真左側の空気室は水が溜まって錆が酷くなっています。本来はきれいな状態です。

圧力タンクのプラダの穴あきにより浸水した空気室
圧力タンクのプラダの穴あきにより浸水した空気室

穴あきの原因

穴あきの要因のひとつが空気が抜けている場合です。

ブラダ穴あき箇所 水室側
ブラダ穴あき箇所 水室側

ブラダ穴あき箇所 空気室側
ブラダ穴あき箇所 空気室側

空気が抜けていると、ブラダが空気室側に引っ張られ、容器と接触し摩耗します。その個所が弱くなり穴が開く要因の一つです。

まとめ

ブラダも厚めのゴムで簡単にはパンクしませんが、空気が抜けたまま使用すると寿命が縮まります。空気圧の点検時は水室側の水を抜いてから空気圧を点検します。
ブラダが破損した場合はゴムの汚れや錆が蛇口より出てくることがあります。

制御盤のつまみスイッチを交換するときの選定

※【ご質問】【ポンプ交換を伴わないつまみスイッチのみの交換】【部品販売】、は受け付けておりませんのでご了承ください。

揚水ポンプ制御盤などで年数経過しているものですとリレー以外につまみスイッチの腐食や劣化が懸念されます。
時々止まってしまうようなトラブルの元となりますのでつまみスイッチも同時交換をお勧めしております。

メーカーによって異なりますが、弊社では富士電機のAR22シリーズをよく使用しています。

Φ22 コマンドスイッチ AR・DR22シリーズ – 富士電機機器制御
http://www.fujielectric.co.jp/products/operating_indicator/command_switch_ar_dr22.html

特徴

  • 分電盤の穴の直径が22.3mmもしくは25.5mm対応(締付けナットの表裏を換えることで対応可能)
  • パネル厚1~6mm対応
  • 接点部と操作部が容易に分割できる為、作業も容易です。
  • Ф30取付用丸フレームアダプタ(AR9Y004)を使用することで直径30mm穴、パネル厚2.5~5mmに対応

外観

AR22外観

AR22端子
端子のそばの白い部分を押すと操作つまみと切り離せます。
AR22操作部取外し
a接点のスイッチユニットは青色(写真のもの)、b接点のスイッチユニットは橙色となっています。

選定

選定するにはそのスイッチの配線図面の確認が必要ですが、ポンプの制御盤として使われる場合は下記のものが多いです。
※必ずスイッチがこれに該当するというわけではありません。実際には回路図などで確認が必要です。

ノッチ
操作パネル
表記(参考)
他部品から繋がっている
配線数
接点
構成
AR22型番 AR22接点動作 参考図
2 (切・入) 2本 1a AR22PR-210B AR22PR-210B 1a
(1号・2号) 3本 1a1b AR22PR-211B AR22PR-211B 1a1b
3 (手動・停止・自動)
※手動時も交互運転が動くタイプ
3本 1a1b AR22PR-311B AR22PR-311B 1a1b-3notch
(手動・停止・自動)
※手動時は交互運転が動かないタイプ
5本 2a2b AR22PCR-3094B AR22PR-3094B 2a2b_3notch
(1号・交互・2号) 4本 2a2b AR22PCR-3094B 2a2b_3notch_2

補足

例えば、AR22PCR-3094Bで説明しますと、スイッチ4個(2個のa接点、2個のb接点)で構成されています。左に回すと3番のスイッチがON、中央のときは2番がON、右に回したときは4番がON、中央、右とその中間部分のとき1番はONのまま、となっています。

※【ご質問】【ポンプ交換を伴わないつまみスイッチのみの交換】【部品販売】、は受け付けておりませんのでご了承ください。