排水ポンプの選び方 樹脂製

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排水ポンプもいろいろな種類があります。普段は目に見えない場所に設置してありますから、動けばなんでも良い様に思いますが、ポンプが一度でも詰まると大変ですので、まずは、基本的に「詰まらないポンプ」を選ぶ、というのが良いと思います。

排水ポンプの通過能力の選定

大雑把に、通過できる異物の大きさにより

  1. 異物のない清水。異物通過能力:口径の50%程度まで
  2. 多少異物が入っている。異物通過能力:口径の70%程度まで
  3. 異物が多い 異物通過能力:口径の100%まで通過

の3種類程度に分けられます。

 このなかで、樹脂製のタイプとしては~70%程度までのもので比較します。鋳物製排水ポンプに比べ、樹脂およびステンレスの採用により軽量で施工性がアップ(工事費の低減が可能)しており、腐食にもとても強いです。しかし、羽根車も樹脂製ですので、排水中の砂や石などにより、磨耗で羽根が損傷し能力が落ちたり、排水能力が低下することもあります。

写真はエバラ:DWV型 樹脂製排水ポンプ
エバラ 排水ポンプ DWV型

配管口径の50%以下の通過能力を有する排水ポンプ

主に受水槽のみの排水など、清水に近いものの排水に使用するポンプです。
汚水槽や雑排水槽で使用すると、ポンプに異物が詰まる可能性があります。
少しでも揚程を確保したい場合はこちらのタイプをお勧めします。

メーカー名 機種 参考型番※ 通過口径(mm) 水量
(L/min)
揚程(m)
球状 繊維状
エバラ DWS型 50DWS5.75A 15 50 30~340
川本製作所 WUP3型 WUP3-505-0.75 17 50~250 15.5~7.5
テラル PV型 50PV-5.75 20 35~220 15.2~9
テラル PL型 50PL-5.75 5 180~300 12.4~7.5
新明和 CRS型 CRS501 25 0~470 14.7~0.5
新明和 CRC型 CRC50 0~220 20~3

※参考型番は 50Hz 200V 0.75kw 口径50 非自動運転 の場合

 表の中でテラルのPL型はケーシングと羽根車が近接しており、また新明和のCRC型は羽根車がクローズドタイプになっている為、異物通過能力は低くなっています。これらを除くと、揚程はエバラの排水ポンプが、水量は新明和の排水ポンプが優れています。

異物通過能力比較

排水ポンプ 異物通過能力比較 配管口径の50%以下

このタイプは異物通過能力はあまり優れていませんので比較してもあまり意味はないかと思いますが参考までに。

配管口径の70%程度以下の能力を有する排水ポンプ

 清水以外の排水を行なう場合はこちらを使用します。汚水槽や雑排水槽用なども良いと思います。このタイプですと、ほとんど詰まることは無いと思います。

メーカー名 機種 参考型番※ 通過口径(mm) 水量
(L/min)
揚程(m)
球状 繊維状
エバラ DWV型 50DWV5.75A 35 150 35~365 14.5~3
川本製作所 WUO3型 WUO3-505-0.75 35 50~250 13.2~7
新明和 CR型 CR501 35 0~470 13.5~0.5

※参考型番は 50Hz 200V 0.75kw 口径50 非自動運転の場合

水量は新明和の排水ポンプが優れています。テラルではこの通過能力を有する樹脂製排水ポンプはありません。
配管口径50mmに対して異物35mmというのは下記のようなイメージです。
配管口径50mmに対する異物口径35mmのイメージ図

 異物通過能力が口径の70%程度というのは、面積比でみると49%、容積比でみると34%(50mmと35mmの球体として)となり、70%というイメージよりは通過能力が無い様にも思います。

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